言いがかりと批判・抗議の違い

言いがかりと批判・抗議の違い

人と人が話し合い、意見が食い違ったときに自分はきちんとした理由で批判・抗議をしたとしても、相手は単なる言いがかりと受け取り、互いに歩み寄れずに話がまとまらなかったり、こじれたりということがよく起こります。

では、言いがかりと批判・抗議の違いとはどう違うのでしょうか。
今回は、言いがかりと批判・抗議の違いについて、具体例を交えてお話していきます。

 

 

言いがかりの意味

1 口実を作って、難癖をつけること。また、その事柄。「言い掛かりをつける」「とんだ言い掛かりだ」

2 言い出して、あとに引けなくなること。

「門口で突き当たったといふが―でけんかよ」〈滑・八笑人・初〉

出典:goo国語辞書

批判の意味

1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を批判する」「批判力を養う」

2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の批判を受ける」「政府を批判する」

3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。

出典:goo国語辞書

抗議の意味

抗議の意味出典:Photo by Amine M’Siouri from Pexels

相手の発言・決定・行為などを不当として、反対の意見・要求を主張すること。

出典:goo国語辞書

 

 

 

日常生活では、”言いがかり”と”批判・抗議”は立場で変わりやすい

意味を並べてみると、言いがかりと批判・抗議は正当性の有無が違うと分かりますが、日常生活では正当性の有無があいまいになりがちです。
なぜなら、この判断基準は相手の良識や常識に依存し、また両者とも自己正当化するからです。
つまり自分は間違っていない、間違っているのは相手の方だと自分を言い聞かせるため、”自分の言い分は正当な批判・抗議””相手の言い分は言いがかり”になることが多いわけです。

では、自分の間違いには気づけないのか、相手に間違いだと突きつけられないのかというと、必ずしもそうではないでしょう。

 

 

 

自分の言い分が批判・抗議だと示す方法

自分の言い分が論理的であること

自分の言い分が論理的であること出典:https://pixabay.com/images/id-23330/

論旨が明確で、かつ、それが人として守るべき規則に従っていることが重要となります。

関連記事→クリティカル・シンキングとはどんなもの?

自分の言い分の正しさに根拠があること

相手が間違っていること、自分が正しいことの根拠を示す必要があります。

しかし、この根拠を日常生活で示すのはかなり困難なことが多く、自分と相手の価値観によって”人として守るべき規則”のハードルの高さが違うことがよくあるため、自分では成り立っていると思っていても、相手は問題にするほどの悪いことだと思っていないこともあるのです。

言いがかりをつけやすい人は、自分では論理的と思っているのか、それとも論理なんて気にしないのかは分かりませんが、論理が破たんしていることが多いです。

 

 

 

言いかがり or 批判・抗議をジャッジ!
日常で起こりえる具体例

では日常で起こりえる例を以前の記事での例も交えて以下に記載しますので、どちらの言い分が言いがかりか、批判・抗議なのかを判断してみてください。
わたしの見解も述べていくので参考になれば幸いです。

例1)たばこの煙

リビングで旦那がタバコを吸っています。
妻が別の部屋におり、扉を閉めると暑いため開けていると、たばこの匂いが入ってきます。
不快に思ったので指摘すると、旦那は「扉を開けているからだ」と言い返します。

 

Q:妻と夫の主張はどちらが言いがかりでしょうか。

筆者の見解:妻の主張は正当な抗議で、言いがかりは夫だと考えます。
たばこは喫煙者にとっては快楽を得られますが、副流煙は周りの人の健康を害するものです。
それを、周りに気遣いもなく吸い、やめるよう言った人間に対して、まだ追い打ちをかけて相手が部屋の扉を開けているから煙を吸うことになると言い返すのは暴論です。

 

例2)道案内の正確性

例2)道案内の正確性出典:Photo by Wendy Wei from Pexels

AとBが繁華街で立ち話をしていると、Aに外国人観光客がタクシー乗り場はどこか訊ねました。
Aは英語を話せないので断ろうとしますが、うまく言葉が出てこないでいると、Bがとっさに片言の英語で「右に曲がってください」と言いタクシーがよく通る大通りの場所を教えて、事なきを得ます。

外国人観光客が去ると、AはBの教えた情報の正しさを問いました。

A「右に曲がったらタクシー拾えるの?」
B「うん。あそこロータリーがあって、だいたいタクシーが待ってるよ」
A「えー本当かなー?」

そのあと、AはBが示した道が大通りであることに思い至り、Bの正しさに得心しました。

出典:相手への猜疑心をわざわざ口に出す人の心理

Q:Bの主張は言いがかりか、正当な批判・抗議かどちらでしょう。

筆者の見解:Bは言いがかりだと考えます。
そもそもこの状況で情報の正確性を問う必要があるのでしょうか。
それでも疑問が残るなら自分で見に行けばいいのです。

 

例3)居酒屋の時間制限と注文ミス

ある客が2時間制の居酒屋で飲食をし、残り15分くらいになったところで注文した料理が来ていないことに気付き、店員にそのことを伝えました。
注文の確認をしにいった店員が戻ってきて「いま、調理を始めましたので、お部屋のお時間20分延長いたします」と言いました。

その時にはそろそろ制限時間迫ってきており、20分でその料理を食べることは可能ですが、客は「20分で食べて出ていけということですか?」と言いました。
店員はまた責任者に指示を仰ぎに行き、最終的には時間制限は設けないことになりました。

客はその料理を食べて、30分たたずにお店を出ました。

 

Q:この客は言いがかりをつけたと思いますか?

 

筆者の見解:客の主張は正当な抗議だと考えます。
ミスをしたのはお店です。
それなのに自分たちの都合を貫き、相手の食べる時間まで制限するのは勝手すぎるのではないかと思います。

 

 

例4)上下関係

Aさんは仕事が多忙なため、社内共有用の資料作成をスケジュールに余裕のある後輩のBさんに任せました。
どの内容を資料にして共有するのかはBさんにはできないので、Aさんが知らせてあげなければなりません。
一連の流れは以下です。

Aさん:共有議題をBさんに知らせる
  ↓
Bさん:資料をみんなに分かりやすいように作成
  ↓
Aさん:資料完成後、確認をしてBさんに可否を連絡
  ↓
Bさん:OKならば社内に共有
   ? NGならば修正

という半雑用をBさんに任せたわけですが、ここで問題点が発生します。

問題点

①AさんがBさんに共有議題の連絡をしない。

②Aさん、忙しくて忘れるからとBさんにリマインドを義務化。(自分からは連絡しないスタンス)

③Bさんが資料作成後、確認を求めるが、Aさんは忘れていて確認をしない。

④Bさんが確認のリマインドをして、Aさんは数時間後に資料確認の連絡。

⑤①~④の状態が一年近く継続。

⑥Bさんは堪忍袋の緒が切れて、確認期限を設け、連絡がなけれはそのまま共有。修正があっても対応しないことを表明し、実行。

⑦Aさんは不満を抱き、注意しに行ったところBさんと口論。結果勝手に共有せずリマインドするよう強く注意。

出典:相手の立場に立って考えるということ

Q:自分は忙しいから後輩Bにリマインドを義務化し、確認期限を過ぎれば確認なしで勝手に共有した後輩Bに注意した先輩Aは言いがかりか、正当な批判・抗議かどちらでしょう。

 

筆者の見解:先輩Aは言いかがりだと考えます。
「忙しいから忘れる」は子どもの言い訳です。
社会人は忙しいから忘れるなら、忘れないように自分で対策しなければなりません。
後輩Bはママでも秘書でもありません。仕事はあくまで資料作成なので先輩のリマインドは業務外です。
確かに後輩Bは強引な方法に出たかもしれませんが、全体的にはAに非があると思います。

まぁ、日本のビジネスパーソンは先輩の理不尽な命令も業務のうちと考える人も多そうですが…。

あなたはどう感じましたか?