LGBTを認められない?同性愛者に偏見を持つ異性愛者は性差別意識などが強い傾向にあるという研究結果

2019年11月15日

LGBTを認められない?同性愛者に偏見を持つ異性愛者は性差別意識などが強い傾向にあるという研究結果

LGBTとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(性別越境者)など性的少数者のことをいい、メディアでもたびたび取り上げられています。

日本でも同性愛はライフスタイルの1つだということについて、理解を広めようとしているところですが、調査によると、同性愛者に偏見を持つ異性愛者は”男性は仕事、女性は家事”という性差別意識や権威主義的な考えが強いのだそうです。

 

 

1980年以前の世界では、同性愛者は病気とみなされていた

1980年以前の世界では、同性愛者は病気とみなされていた出典:https://pixabay.com/images/id-3089939/

以前の記事でさまざまな精神疾患や人格障害に取り上げ、その診断基準も合わせて記載していたのが、DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)です
このDSMはアメリカ精神医学会によって出版された書籍で、1980年以前までは同性愛者も記載されており病気とされていましたが、それ以降は診断基準から外されたようです。

そして、同じころから同性愛者に対する態度の尺度を測る、ATLG Scale
(Attitudes Toward Lesbian and Gay Men Scale)が世界で広く用いられるようになりました。

 

関連記事→不安障害とはどんな病気?
     人格障害(パーソナリティ障害)の種類

 

 

 

異性愛者の同性愛者に対する偏見と思想傾向が明らかに

異性愛者の同性愛者に対する偏見と思想傾向が明らかに出典:https://pixabay.com/images/id-1571621/

ATLG Scaleを用いて調査した結果、以下のような事が分かりました。

  • 男性異性愛者の方が、女性異性愛者よりもゲイに対する態度がネガティブであることが示された。
    また、男性異性愛者はレズビアンよりも、ゲイに対する態度がネガティブである。

  • 同性愛者に偏見を持つ異性愛者は、男性は仕事、女性は家事という性役割に固定化する性差別意識や、伝統的な家族観がより強く見られた

    伝統的な性役割についての信念は、同性愛者がその考えに反するものであると考えられているために、同性愛者に対する態度との関連があると考えられる。
    その一方、伝統的な性役割観に対し、同性愛者が批判的である。

  • 一部の政治や宗教の指導者が同性愛者に対し非難的であることから、権威主義的な価値観を有する人ほど、同性愛者に対する態度がネガティブであると考えられる。
  • エイズをゲイと強く結び付ける誤った考えが広まっており、同性愛者に偏見を持つ異性愛者態度は、エイズやエイズ患者に対して高圧的である。

つまり、まとめるとこうなります。

男性異性愛者は

  • 女性異性愛者よりもゲイに否定的
  • レズビアンよりも、ゲイに否定的

同性愛者に偏見を持つ異性愛者は

  • 性差別意識が強い
  • 伝統的な家族観が強い(同性愛者がこの観念に沿わないため)
  • 権威主義的
  • エイズやエイズ患者に対して高圧的

 

ソース:Attitudes Toward Lesbians and Gay Men Scale日本語20項目版(ATLG-J20)の作成と妥当性の検討

 

政治家の性差別発言が目立つのも上記にあてはまりますね。

 

 

同性愛者に偏見を持つ異性愛者の一例

 

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海外に比べ、日本人の同性愛者に対する態度についての社会心理学的研究はあまりされていません。
そもそも、日本で同性愛者だとカミングアウトする人もまだ少数でしょう。

最近話題のおっさんずラブやアニメでは同性愛を題材とした作品が一定数あるため、もっと同性愛に対しておおらかなのかと思いきや、実際にはカミングアウトをする人が少ないため、同性愛に対する理解があるのは創作物の中だけなのかという指摘を目にしたことがあります。

カミングアウトする人がまだまだ少ないということは、社会が同性愛者を受け入れられていないということでもあります。