幼少期につらい経験をするとクリエイティブ性が向上するという研究結果
以前、クリエイティブな人ほど精神疾患にかかりやすいという研究結果をご紹介しました。
しかし今度は、虐待などつらい経験を幼少期にした人もクリエイティブ性が向上する傾向にあるという研究結果が発表されました。
クリエイティブな仕事をしている人にアンケート調査
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アメリカ・カリフォルニア州立大学ノースリッジ校の心理学者らが、俳優・ディレクター・デザイナー83名、ダンサー129名、ミュージシャン・オペラ歌手20名などの計234名のプロパフォーマンスアーティストたちを対象にアンケート調査を実施しました。
アンケートの内容は、幼少期のつらい経験、羞恥心、創造的体験、空想・不安への傾向、クリエイティブ活動への従事レベルに関する質問でした。
その結果、パフォーマンスアーティストは子ども時代に感情的な虐待やネグレクトを受けていることが多いことが分かりました。
感情的な虐待とは、他の人の感情を意図的に傷つけるために何かを言ったり、ほのめかしたり、行ったりすることです。
心理的虐待
子ども時代に心を病むだけでなく、成長後にもあらゆる精神疾患、人格障害などが現れ、他者と関係を築けないなどの後遺症を残します。
例えば以下のような親の言動が子どもの心を傷つけます。
- 否定する言葉や態度
- 無視する
- 兄弟によって扱いを変える
- 他者と比べる
- 暴言
- 言葉によって辱める
- 蔑む
など
幼少期につらい体験をしたレベルが高いパフォーマンスアーティストは、創作プロセスによって自己や世界とより深く関与できることや、その価値の理解に長けていることで、創造力が増しているのではないかと考えられています。
さまざまな要因の一つが解明された?
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クリエイティブ性が高い人が精神疾患になりやすいのは脳が関わっていることは以前の記事でお話しました。
しかし、もしかすると、クリエイティブな人が精神疾患になりやすいのではなく、精神疾患になりやすい脳構造の人がクリエイティブ性に富んでいるのかもしれません。
精神疾患になりやすい脳構造は、遺伝の場合もあれば、成長過程で他の要因が複雑に重なり合ってそのようになっていく場合もあるでしょう。
その中の1要因が、虐待などの経験ではないでしょうか。
また、クリエイティブな能力は天性のものというイメージがありますが、後天的に能力を得られる可能性がありそうです。
かといって、虐待などのつらい経験は脳が委縮するという研究結果もありますし、不幸な子供は1人でも減ることを願います。
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