人格障害(パーソナリティ障害)の種類
人格障害(パーソナリティ障害)の種類は全部で15種類とされておりこれまでの記事でいくつか取り上げてきました。
今回は人格障害(パーソナリティ障害)の種類と概要をご説明していきます。
A群(奇異型)
統合失調型人格障害(統合失調型パーソナリティ障害)
エキセントリックな思考、行動や外見をしており、特殊能力やオカルトなど現実離れしていることを信じやすいです。
場違いな言動や奇妙な言い回しをするため、他者との親密な関係を築きにくく、また本人もそれを望んでいないため、特に孤独になりやすい人格障害です。
妄想性人格障害(妄想性パーソナリティ障害)
妄想性人格障害本人は被害妄想的で、例えば、周囲の人間から嫌われていたり、敵意を持たれていると思っています。
そのため他人との会話中、自分の秘密や個人情報を話すと、悪用されると思い込んでいるので話すことはありません。
用心することはいいですが、悪意のない人に対しても疑ってかかるため、その猜疑心が社会生活でたびたび問題となることもあります。
スキゾイド人格障害(スキゾイドパーソナリティ障害)
孤立を好み、社会一般の関心ごとのファッションや対人関係には興味がありません。
それよりも、自然や音楽、芸術、読書などを一人で堪能したり追及したりすることに意識が向いているため、実はかなり繊細なのです。
B群(劇場型)
演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)
誰からもにも過度に注目を集めたがり、自分が中心でなければ気が済まないため、作り話や自殺をほのめかしたり、騒動を起こすこともあります。
注目を集めたいがために外見や行動が性的に挑発的で見境がありません。
また、感情表現が大げさで芝居かかっている反面、発言内容はいたって普通です。
自分の価値は他人は握っているので、周囲の意見にあわせていますが、本人の奇行の数々から対人関係の入れ替わりが激しいことが特徴です。
境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)
人に見捨てられることを強く恐れ、不安を抱いているため、不幸感を持ち依存症になりやすいです。
考え方は自分のことが他人ごとのようで分からず、ものごとを正義か悪かなどの二極化で考えがちです。
自傷行為など衝動的な行動を繰り返すため、対人関係において変動が激しいです。
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティー障害)
異常なまでに根拠のない自信を持ち、自分の実際の能力よりも遥かに上回る能力や才能を持っていると思い込んでしまっています。
その特権思考のため、他人の手柄を横取りしたり出し抜こうとしたり、無理な要求をします。
しかし、その期待が外れると怒ったり、人のせいにするので負債感はほぼありません。
自分が一番でないと気が済まないので外見にもこだわりがあります。
この特徴からお分かりの通り”ナルシスト”です。
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反社会性人格障害(反社会性パーソナリティー障害)
別名サイコパスとも呼ばれており、社会的な法律や規則、また他者の尊厳などを軽視しているため、自分の利益のためなら平気で嘘をつくことが多いとされています。
また、暴力をふるうなど人を傷つけることに罪悪感がないことから他のパーソナリティー障害に比べて、極めて危険であることがうかがえます。
反社会性人格障害(サイコパス)が多い職業や地位に関して、経営者(CEO)に次いで弁護士が多いという調査結果が発表されています。
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C群(不安型)
回避性人格障害(回避性パーソナリティ障害)
恥をかくこと、バカにされること、批判や拒絶されることを恐れるあまり、他人との交流を避けることから、周りからは人間嫌いで暗くとっつきにくいイメージを持たれがちですが、本人は社会的な交流を求めていることが多いです。
そのため、同じ孤立すると言っても他人に興味を持てないスキゾイド(シゾイド)人格障害とは異なります。
強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)
あまりにも完璧さや秩序、ルールなどに固執しており、それを他人にも強要します。
些細なものにもこだわるので時間や労力を費やし、自分が関わる物事を他者に任せられないため、協調的な人間関係が築きにくいです。
将来への不安が強いため、過剰な節約生活を送っている場合もあり、他者を信用していないので、アドバイスには耳を貸さず、自分の考えに固執しているので臨機応変さにも欠けます。
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依存性人格障害(依存性パーソナリティ障害)
一見愛想がよく、従順であるため良い人そうですが、根底には無気力で他人に頼らなければ生きていけないと思い込んでいるため、自分に自信がないことも手伝い、重要な決断を他者に責任を負わせます。
依存相手がいなければ生きていけないので、相手の機嫌や顔色を敏感に察知します。
ある程度までは自分を信用してくれていると嬉しく思いますが、依存性人格障害の人はその限度を超えていますので、かなり重い人という評価を受けます。
特定不能
自己敗北性人格障害(自己敗北性パーソナリティ障害)
楽しいことを避ける選択をし、苦しむ状況に自らを追い込むため、常にフラストレーションを抱え、自分の恥と間違いを探します。
なぜそのような行動をするのかというと、成功にまつわる罪悪感が自己敗北(挫折)の背景にあり、性的マゾヒズムや道徳的マゾヒズムに関係するからと言われています。
この自己敗北性人格障害(自己敗北性パーソナリティ障害)に似通った症状として以下の恐怖症があります。
幸せ恐怖症
幸せになることが怖いということになりますが、意識的に幸せを拒むこともあれば、無意識に幸せになる道を閉ざすこともあるようです。
原因としては、幸せになったあとの不幸がより怖いため、現状維持しようとするのです。なぜか幸せになれないという人は、無意識の幸せ恐怖症なのかもしれません。
他の恐怖症とは違い、さまざまな要素が混じりあい、無意識の行動にも表れるため厄介です。
良い知らせ恐怖症
良い知らせのあとには良くないことが起こると考える悲観的な人に多い恐怖症です。
受動攻撃性人格障害(受動攻撃性パーソナリティ障害)
不満があったとしても真正面から対立することはありません。
その代わりに意図的に物事を忘れたり、やりぬく気はないのに「はい」と言い、先延ばしにしたり非効率な方法をわざと取ります。
そして、影で中傷しつつ、常に復讐を企てています。
そのためには人をも操作しようとします。
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精神病質(サイコパシー)
反社会的な人格の一種です。
例えば、良心が欠落しており、他人に対して冷淡で共感しないため、罪悪感がない性格のことです。
本ブログで何度も登場している”ダークトライアド”のうちの1つです。
抑うつ性人格障害(抑うつ性パーソナリティ障害)
心配事にとらわれやすく自分に自信がないため、慢性的に憂鬱で喜びを感じにくいです。
自分を責める傾向にあり、将来に関して悲観的なため、他人に関しても短所ばかりに目が行く性質を持ちます。
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サディスティック人格障害(サディスティックパーソナリティ障害)
他人に対して苦痛や不快感を与えたり見ることを楽しみます。
それが肉体的だけでなく、公衆の面前で恥をかかせるなど精神的な攻撃も少なくありません。
この人格障害の人は冷淡で獰猛で操作的な精神の持ち主です。
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