ルールにこだわる、他人に強要、節約生活。強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)の特徴とは
仕事でも家事でも、いやに手順や完璧さなどにこだわってそのこだわりを相手に強要したりする人は完璧主義と言われます。
1組織に1人はいるでしょう。
あまりにも完璧さや秩序、ルールなどに固執する人は、もしかすると強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)かもしれません。
今回は、ルールにこだわる、他人に強要、節約生活。強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)の特徴についてお話します。
強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)とは
出典:https://pixabay.com/images/id-220005/
強迫性人格障害とは、完璧主義が行き過ぎて日常生活や精神状態、対人関係に支障をきたしている疾患です。
有病率は人口の約1%で特に男性に多く、女性の約2倍と見られているようです。
不安が強く、葛藤が多いゆえにうつ病を併発することも少なくありません。
強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)の特徴
- 完璧主義者
- 最善と思い込んでいる自分ルールや手順などに固執している
- 他者にも完璧さや自分ルールを強要する
- 些細なものにもこだわるので時間や労力を費やす
- 仕事など自分が関わる物事を他者に任せられない
- こだわっている物事に時間を費やすため、家族や友人との時間を犠牲にしがち
- 協調的な人間関係を築きにくい
- 将来への不安が強いため、過剰な節約生活を送っている場合もある
- 他人からのアドバイスには耳を貸さない
- 臨機応変さに欠ける
関連記事→判断や決断が遅いことが原因?!グズな人のタイプ別特徴と克服法
完璧主義者の特徴と実情
短気、せっかちと見られる人は嫌われるが役に立つ!
「強迫性人格障害」と「強迫性障害」の違い
強迫性人格障害の特徴を上記でご紹介しましたが、以前にご紹介した不安障害の一種で”強迫性障害”とどう違うのかが少し分かりにくいと思うのでご説明します。
強迫性障害のおさらい
- 確認行為(確認強迫)
戸締りなど何度も自宅に確認しに帰る - 数唱強迫
特定の数字に異常にこだわる - 保存強迫
物を捨てられない - 縁起恐怖(縁起強迫)
特定の行為を行わないと、不幸なことが起こるのではないかと思い込む - 自殺恐怖
自分が自殺を企て死んでしまうのではないかと恐怖を感じる - 疾病恐怖
自分が重病にかかってしまった、またはこれからかかってしまうのではないかと病院を変えて検査を繰り返す - 被害恐怖
自分の行為が自分に被害を与えるのではないかという不安 - 加害恐怖
他者に危害を加えたかもしれないと、周囲の人に確認する - 不完全恐怖(不完全強迫)
物の順序に独自の法則性を求めその通りに並べないと気が済まない - 不潔恐怖・洗浄強迫(潔癖症)
汚れや菌に汚染されているのではないかという恐怖から、何度も入浴や手洗いを繰り返す
確認行為(確認強迫)は周りにも強要するときもありますが、ほとんどの場合は次のような違いがあります。
ルールに縛られ他人にも強要=強迫性人格障害
同じ行動を繰り返す=強迫性障害
関連記事→潔癖症やこだわりすぎるのも病気だった!強迫性障害(OCD)とはどんな病気なのか
ICD-10(国際疾病分類)の診断基準
- 過度の疑いと警戒の感情。
- 細部、規則、目録、順序、構成あるいは予定へのこだわり。
- 課題の終了を妨げる完全癖。
- 過度の誠実さ、几帳面さ、および娯楽や対人関係を排除するほどの生産性への不適切な没入。
- 社会的慣習に対して過度に杓子定規で融通がきかないこと。
- 堅苦しさと強情さ。
- 他人が自分のやり方に正確に従うよう強要すること、あるいは他人がすることをしぶしぶ承認すること。
- 執拗で嫌な思考あるいは衝動の侵入。
出典:強迫性パーソナリティ障害
関連記事→不安障害とはどんな病気?
こだわりを持つことは仕事をする上では要し、特にクリエイティブな仕事では必要不可欠となりますが、あまりにも強すぎたり、偏るのは他者との協調や自分の精神にも悪影響となってしまいます。
こういった障害を抱える人は真面目な人が多いため、「こんな緩くていいのだろうか」くらいが”良い加減”になるのではないでしょうか。
参考:強迫性パーソナリティ(人格)障害と強迫性障害は違います!あなたは大丈夫?セルフチェックをしてみよう!治療は心理療法中心!治療薬は?
強迫性パーソナリティ障害の特徴・症状・治療法
強迫性人格障害(強迫性パーソナリティ障害)
強迫性パーソナリティ障害