家族と離れると不安!分離不安障害(SAD)とはどんな病気?
子どもが母親や父親から離れたがらない、離れると激しく泣きわめくといった光景を見たことはあるでしょう。
かつてはわたしたちもそうでした。
この光景はごく普通に生後6ヶ月~3歳までの児童が両親と離れることに対しての不安のため起こることなので、問題はありません。
しかし、これが行き過ぎれば不安障害となるのです。
今回は、分離不安障害(SAD)とはどのような病気なのかをご紹介します。
分離不安障害(SAD)とはどのような病気?
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両親や家といった愛着のある人や場所などから引き離されるとき、乳幼児期を越えても強い不安を感じ、身体的・精神的症状に現れて日常生活に支障をきたすと分離不安障害となってしまいます。
他の不安障害の中で最も発症年齢が幼く、有病率は2.4%~4.7%と報告されており、割合としては多い精神疾患と言えます。
ただし、成長につれて数は減少しますが、まれに大人になっても克服できずにいる例もあります。
分離不安障害(SAD)の症状
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身体的
- 吐き気
- 頭痛
- 腹痛
問題行動
- 過度な甘え
- おもらし/おねしょ
- 乱暴
- 不登校
精神的
- 悪夢
- 抑うつ
- 怒り
- 無気力
診断基準(小児期)
A. 強く愛着を持っている人に災難が降りかかるという非現実的な、現実離れした心配に心を奪われる。あるいは彼らが去って戻らないだろうという恐れ
B. 迷子、誘拐、入院、あるいは殺されるという災難によって、強く愛着を持っている人から引き離されてしまうという非現実的な心配に心を奪われること。
C. 分離の恐れのために、(学校での出来事を恐れるというような他の理由からでなく)登校を嫌がり、あるいは拒否し続けること。
D. 強く愛着を持っている人が近くか隣にいなければ、眠るのを嫌がり、あるいは拒否し続けること。
E. 1人で家にいること、あるいは強く愛着を持っている人なしで家にいることへの持続的で度の過ぎた恐れ。
F. 分離に関する悪夢を繰り返す。
G. 身体症状(悪心、胃痛、頭痛、嘔吐などの)が、強く愛着を持っている人からの分離をともなう状況のさいに繰り返し起こること。たとえば家を離れて学校にいく場合。
H. 強く愛着をもっている人からの分離を予想したとき、その最中、あるいはその直後に、過度の悲嘆を繰り返すこと(不安、泣くこと、癇癪、みじめさ、無感情、あるいは社会的引きこもりとして現れる)。
出典:分離不安障害