パニック発作を極度に恐れるパニック障害とはどんな病気?
強い不安から身体に異変が表れ、さらにその発作が起きたらどうしようと発作を極度に恐れることはありませんか。
発作を恐れ、公共の場に行かないようにしている状態ならば、それはパニック障害かもしれません。
パニック障害とはどんな病気?
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パニック障害は、他の不安障害と同じように強い不安による発汗や震えなどの発作を起こし、その発作がまた起こるのではないかや、電車の中などの逃げ場のない場所で発作状態を見られたらどうしようという恐れから、公共の場を避けるようになるのが特徴です。
2002~2006年の日本の調査では生涯有病率(一生のうちに一度は病気にかかる人の割合)は0.8%です。
女性の発症率は男性の2.5倍と言われています。
ただし、突発的にパニック発作が起こっても、パニック障害とは限りません。
パニック障害の症状
パニック発作
- 激しい動悸
- 発汗
- 脈拍が異常に多い(頻脈)
- ふるえ
- 息苦しさ
- 胸部の不快感
- 腹部の不快感
- めまい
- 強い不安感
- 窒息感
- 吐き気
- 寒気
- 熱っぽさ
- 他人事のように感じる
- 死ぬかもしれないという恐れ
予期不安
パニック発作は、たいてい発症から20~30分くらいでおさまりますが、何度も繰り返すうちに、また発作が起きたらどうしよう、というパニック発作に対するかなりの恐怖感や不安感が生まれるようになります。
広場恐怖
逃げ場のない場所でのパニック発作や、発作を他人や大勢の人に見られることの恥ずかしさから不安や恐怖が生じるため、公共の場所や、過去に発作を起こした場所を避けるようになることをいいます。
この「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」の症状が出てパニック障害と呼びます。
また、これらの症状が表れ、病院で身体的に調べても異常がないことも特徴として挙げられます。
パニック発作になりやすい心身状況
- 炎天下での労働やスポーツ
- 過労
- 寝不足
- 徹夜
- 精神的緊張
- 夏の高温・多湿
- カフェイン
- アルコール
- ニコチン
- 生理(女性の場合)
- 風邪
など
うつ病を併発しやすい
パニック障害の定義は、パニック発作を起こすことではなく、発作を起こすことに対する強い不安によって日常生活に支障をきたすことにあります。
そのため、日常生活に支障をきたすほど、気に病むため、うつ病を併発してしまうことも大いにあるのです。
パニック障害の診断基準
1. と2. の両方を満たす
1.予期しないパニック発作が繰り返し起こる
2.少なくとも1回の発作の後1カ月以上、以下のうち1つ以上が続いていたことa)もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
b)発作またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、"気が狂う")についての心配
c)発作と関連した行動の大きな変化広場恐怖が存在している(広場恐怖を伴うパニック障害の場合)
パニック発作は、物質(たとえば乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(たとえば甲状腺機能亢進症)の直接的な生理学的作用によるものではない
パニック発作は、以下のようなほかの精神疾患ではうまく説明されない。たとえば社会恐怖、特定の恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害