相手の立場に立って考えるということ
「相手の立場に立って考えよう」と人間関係を円滑にする際によく聞きます。
その言葉のように、あなたは相手の立場に立つことはできていると思いますか?
わたしも含め、おそらくほとんどの人はできていないと思われます。
それは、この言葉を安易に使っている人の多くもできていないでしょう。
では何故、こんなにも相手の立場に立つことを推奨しているのに、ほとんどの人が実践できないのでしょうか。
※この記事は2016年7月11日に公開したものを加筆・修正しました。
想像できない
出典:https://pixabay.com/photo-2123970/
人間は想像力があるなどと言われますが、それでも限界があります。
相手と自分は経験したことが違うため、自分が経験していないことは想像しようにもしにくいものです。
具体例
Aさんは仕事が多忙なため、社内共有用の資料作成をスケジュールに余裕のある後輩のBさんに任せました。
どの内容を資料にして共有するのかはBさんにはできないので、Aさんが知らせてあげなければなりません。
一連の流れは以下です。
Aさん:共有議題をBさんに知らせる
↓
Bさん:資料をみんなに分かりやすいように作成
↓
Aさん:資料完成後、確認をしてBさんに可否を連絡
↓
Bさん:OKならば社内に共有
NGならば修正
という半雑用をBさんに任せたわけですが、ここで問題点が発生します。
問題点
①AさんがBさんに共有議題の連絡をしない。
②Aさん、忙しくて忘れるからとBさんにリマインドを義務化。(自分からは連絡しないスタンス)
③Bさんが資料作成後、確認を求めるが、Aさんは忘れていて確認をしない。
④Bさんが確認のリマインドをして、Aさんは数時間後に資料確認の連絡。
⑤①~④の状態が一年近く継続。
⑥Bさんは業を煮やして、確認期限を設け、連絡がなけれはそのまま共有。修正があっても対応しないことを表明し、実行。
⑦Aさんは不満を抱き、注意しに行ったところBさんと口論。結果勝手に共有せずリマインドするよう強く注意。
さて、日々忙しい仕事をこなしている人からすると、暇な人間が雑用をするのは当たり前。
半人前が指示なく勝手なルールを作って、自分に不利益になることをするのは言語道断だ。
と思うでしょう。
逆にBさんの立場に近い人ほど、「忙しいから忘れる」と言い訳し、連絡も資料の確認も言われないとしないのは社会人としてどうかと思うでしょう。
Aさんほどでなくても自分にも他の仕事があるわけですし、円滑に進めるには対策を立てる必要がある。
と思うかもしれません。
真にその人の気持ちが分かる、立場なりの行動が理解できるというのは同じ経験をした人だけなのです。
関連記事→物理的な距離感(パーソナルスペース)がおかしい人について
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想像する気がない
住宅街によく「静かにしましょう」という看板が立てられています。
誰だって、寝ようとしているときや、テレビを見ているときに四六時中騒音を聴き続けたくはありませんよね。
これは一番身近で想像しやすいはずなのに、騒音問題はなくならないということは、想像する気がないのです。
- 車のクラクション、エンジン音、バイクも含む走行音、走り方、水はね
- 一通りのハラスメント
- 無言電話
- 迷惑メール
- コンピューターウィルス
- リファラースパム
- 集合住宅の騒音
- いじめ
- 満員電車での迷惑行為
などなどその他、無限大にあります。
また、前項のAさんが想像できないと同時に想像する気がないということも分かりますね。
関連記事→気が利かない人の8つの特徴
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実戦しようと努力することが大事
わたしも含めほとんどの人ができていないことですが、じゃあやらなくていいやということにはなりません。
できないなりにも、少しでも相手の立場に近づけるように努力すること、考え続けることが大事だと思います。
相手の立場で考えるポイントは…
- 相手の幼少からの家庭環境(分かれば考えやすいです)
- 相手のバックボーン
- 相手の現在の環境
- 環境に付随する心境
この4点を考えるだけで、相手の嫌がる言葉や行動を取らないですむ可能性が高まります。
これをよく聴く言葉でいいかえると「共感」となります。
これが一番難しく、ままならないというのが現状です。
関連記事→共感力が低い人に現れる14の事実
人間力が高いという言葉がありますが、この言葉に一番ふさわしいのはこの相手の立場に立てる人ではないでしょうか。
そして、ビジネスにおいても成功している人は、相手(顧客など)の立場で考えられる人ではないかと思います。
わたしたちもまずは、相手の立場に立って何が嫌なのか、何が嬉しいのかを考えられることが大切なポイントなのだと考えます。