能力の低い人ほど自己を過大評価!?
皆さんの周りで、バカだと思われているのに自信満々な人はいませんか?
または、何かにつけて上から目線な人は?
何で?と思ったことは一度や二度ではないはずです。
こういう、無駄に自信満々だったり、上から目線な人って能力が伴っていないと思いませんか?
実は、能力が低い人に限って自分を過大評価している傾向があるのです。
今回は、そのメカニズムをお話します。
ダニング=クルーガー効果
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ダニング=クルーガー効果とは、心理学用語で能力の低い人または、未熟な人が、自分の容姿や言動などを実際よりも高く評価してしまうことをいいます。
1999年、ダニングと教え子のジャスティン・クルーガーは、「能力の低い人は、自分の無能さを認識できず、自己を実際よりも高く評価する(ひいては自信に満ちて見える)」という認知バイアスに関する論文を機関誌『Journal of Personality and Social Psychology』に発表。この認知バイアスは現在「ダニング=クルーガー効果」として知られており、2000年にはイグノーベル賞の心理学賞を受けた。
ダニング=クルーガー効果の実際の例
ユーモアは洗練された知識と機知がないと理解できません。65名の大学生を対象に、30個のジョークを読ませ、どれほど面白かったかを評価してもらいました。この点数でユーモアの理解度がわかります。これと同時に「あなたのユーモアの理解度は同年代の中でどのくらいに位置していると思いますか」と訊きました。
調査の結果、ユーモア理解度の順位の低い人ほど自己評価の高い傾向があることがわかりました。
成績下位25%以内の人は、平均して「上位40%程度にいる」と自分を過大評価したのです。一方、成績上位25%以内の人は「上位30%程度にいる」と過小評価していました。
私も以前に、上から目線の上司から「パソコンどこまで扱える?」と私の業務経歴書を見ながら質問されたことがあります。
私は思わず口ごもってしまいました。
聡い人はお分かりかもしれませんが、習熟度を問うのに「パソコンをどこまで」と言うのは一括りにしすぎですよね。
少しでも知っているなら「EXCELのIF関数わかる?」と言った具体的な質問をするはずです。
その上司はパソコン知識は奥が深いということすら知らないのでしょう。
そして「あなたにパソコンが扱えるとは思えない」と言い放ちました。
業務経歴書には細かにどんなソフトウェアを使ってきたかと書いたのですが、理解できなかったようです…。
つまり、
能力の低い人が自分の知能、能力のレベルを正しく評価できない。
↓
だから、他人の能力レベルを測ることができない。
↓
当然、能力の低い人は自分を過大評価する。
ダニング=クルーガー効果は他人事じゃない
と、私が出会った能力の低い人のエピソードを書きました。
しかしダニング=クルーガー効果は、悲しいかな自分にも適応されるのです。
さんざん、能力の低い人の残念な三段論法を披露しておいて、ここでブーメランを食らうわけです。
この段落に来る前に早々に気付いた人は、自分を見つめる冷静な目をお持ちです。
気づくのが遅れた人は「そうか、能力の低い人の思考はこうなんだな」と、理解できるかもしれません。
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何とも恐ろしい事実ではありますが、少なくとも自分もそうかもしれないと思うだけで、姿勢も考え方も変わりそうですね。
人の振り見て我が振り直せということわざを、心理学の観点から証明した形なのでしょう。
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