脳が委縮するとどうなるの?症状は?
昨今テレビでも、脳の萎縮について頻繁に取り挙げられています。脳の萎縮の末には認知症になるということはうっすらとは分かるかと思います。
しかし、実際の症状はどんなものか、また認知症にならないまでも症状は徐々に出ているといいます。
今回は脳が委縮するとどうなるのか、どのような症状が出るのかについてお話します。
海馬の萎縮によるアルツハイマー型認知症になる
出典:https://pixabay.com/images/id-148151/
日常的な出来事や、勉強して覚えた情報は、海馬の中で一度ファイルされて整理整頓され、その後、大脳皮質にためられていくといわれています。
つまり私たちの脳の中で、「新しい記憶」は海馬に、「古い記憶」は大脳皮質にファイルされているのです。
出典:3.脳はこうして記憶する2
海馬は主に記憶を司る機能があるため、この部位が委縮することで以下のような症状が現れます。
- 記憶障害
- 判断能力の低下
- 自分が置かれている状況がわからない(見当識障害)
- 幻覚
- 無関心
- 妄想
- 統合失調症
- 興奮
- 暴言
- 暴力
- 徘徊
など
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前頭葉の萎縮による前頭側頭型認知症(FTD)になる
前頭葉に最も特徴的な働きは、意欲、創造、実行です。大脳全体から得た情報を元に現状を認識し、未来に向けて行動をする司令塔の役割を果たしているのです。そのプロセスは、次のように5つに分けることができます。
①自分の環境や状況を認識する
②行動の選択肢を発見する
③計画を立てて決定する
④計画を実行する
⑤結果を評価する
出典:脳の司令塔―前頭葉の役割(脳の仕組み3)
前頭葉の働きは上記にあるように社会生活を送るにはなくてはならない機能です。
しかし、前頭葉が委縮し前頭側頭型認知症になることで以下のような特徴を見られます。
- わがまま
- 我慢ができない
- 反社会的
- 約束を守れない
- 人格変化
- 同じ行動を繰り返す
- 集中力がなくなる
- 自発性がなくなる
- 人がする行動のマネをしたがる
- 言葉が出てこない
など、周りとの協調ができなくなります。
上の4つの特徴に近いサイコパスは先天的な前頭葉の障害があるためです。
前頭側頭型認知症は後天的であるため、ソシオパスと似たところがあると言えますね。
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その他の症状(その他の部位の萎縮含む)
出典:https://pixabay.com/images/id-358418/
- ひどい物忘れ
- 知能の低下
- 耳鳴り
- めまい
- ふらつき
- 記憶障害
- 空間認識が難しい
- 言葉の理解が難しい
- 睡眠困難
- 思考力の欠如
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