女性が男性との競争が苦手なのは固定観念や妬みからである可能性 後編

2018年8月24日

女性が男性との競争が苦手なのは固定観念や妬みからである可能性前回『女性が男性との競争が苦手なのは固定観念や妬みからである可能性 前編』で、女性が男性との競争を避ける原因についてご紹介しました。

今回は、男女における固定観念についてお話します。

 

 

実際に競争に負けてしまうのは固定観念の影響?!

実際に競争に負けてしまうのは固定観念の影響?!

出典:https://pixabay.com/photo-1006100/

女性が男性との競争を苦手としているのは、先天的な能力や競争を嫌うものではなく、後天的な要因かもしれないという研究があります。

イギリスにあるワーウィック大学のピーター・バッカス博士たちの研究グループは、男女が平等に実力や能力を競える点や実力を客観的に測れるレーティングがあることを考慮して、チェスでの研究を試みました。

チェス競技における男女間に存在する実力差を平均化して数値にすると「イロレーティングで15%低い」という評価になるとのこと。

(中略)

しかし、このような「チェスの世界で女性は男性に劣る」という固定観念こそが女性がチェスで上位に食い込めない原因であるとバッカス博士たちは指摘しています。バッカス博士たちの研究では、女性と男性の対戦者の性別によるパフォーマンスの違いに着目しました。ほとんど同じイロレーティングスコアを持つ女性同士の対戦では、それぞれのプレイヤーが勝つ確率は50%だったのに対して、相手が男性の場合、女性プレイヤーは相手がレーティングスコアが同じで同等の能力を持つにもかかわらず勝率は46%にとどまったとのこと。この勝敗結果はイロレーティングで30ポイント分のハンディキャップを女性が背負っていることに相当するそうです。

さらに、研究者たちは、世界トップの選手よりも能力が高いイロレーティング3000点のチェスマシンを使って、各試合における最も創造的な手が求められる試合中盤の要所でのミス(悪手)の割合を分析しました。その結果、女性は相手が男性の場合の方がミスを犯す割合が高いことがわかったとのこと。これに対して男性の場合、プレイの質は相手の性別に影響されなかったそうです。

(中略)

なお、男性のプレイの質が「ミスの割合」とは別のところで対戦相手によって変化することも研究者たちは発見しています。チェスの試合では負けが濃厚になった状況でギブアップをすることは潔く「紳士的」な振る舞いとして評価されるものですが、女性が相手の場合、男性は負けを認めるのを遅らせる傾向にあるそうです。

出典:女性が男性との競争に負けるのは「女性の意識」が原因か?

この結果から、マイナス要因の固定観念に苦しむ人は、それを避けようとしたり、固定観念を受け入れながらも追随してしまうことが多いことから、研究者たちは「男性の方が強い」という固定観念に女性が縛られることで無意識に実力を発揮できないのではないかと考えています。

また、引用の最後にあるギブアップのタイミングが女性のときの方が遅れるということから、男性が女性に対して”負けたくない”という気持ちが強く、その想いや態度が女性を委縮させるとも考えられます。

自分より体の大きな人が闘争心むき出しで威嚇してきたら怖いですよね。

さて、この”男性の方が能力が上”という固定観念はいつから刷り込まれるのでしょう。

 

 

性差の固定観念は6歳から

性差の固定観念は6歳から出典:https://pixabay.com/photo-316506/

この固定観念は男女の児童に対しても影響があることが分かりました。

アメリカの科学誌『サイエンス』に掲載された論文の執筆者である、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者・辺琳氏によると、5歳から7歳の間の就学前後の子ども400人に対して行った研究によると、6歳の女児の間で「女性は頭が良い」と思う傾向が弱まり「男性は頭が良い」と思う傾向が強まることが明らかになりました。

実験の内容は次の通りです。

子どもたちに「とても頭が良い」人についての短い物語を、その人物が男性か女性かのヒントは与えずに聞かせた。

5歳児では、男女とも等しく「とても頭が良い」人は自らと同性だとする傾向があった。ところが研究論文によると、6歳と7歳では、「女児は男児に比べ、自分たちの性を頭の良さに関連付ける傾向が著しく低かった」。

また研究では、男2人女2人のうち学校で好成績を収めるのはどちらと思うかを質問した。女児は好成績を収めるのは女児と答え、年齢の差で回答に違いはなかった。女児は学業成績と頭の良さを別個のものとして認識していると研究論文は指摘している。

さらに、頭の良い子向けのゲームと努力をする子向けゲームの間ではどちらを選ぶかの質問では、6歳と7歳の女児は男児よりも頭の良い子向けゲームに興味を示さない傾向がみられた。

出典:女児が「女性は頭が良い」と思う傾向、6歳までに弱まる 米研究

日本よりも男女平等の意識が強いと思われているアメリカの実験でも、このような結果がでているということは、日本での女性の知能が男より劣るという先入観が根強いであろうことが想像できます。

 

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常識を疑う思考術―固定観念を壊す5つの方法―

 

女性の男性との競争に対する苦手意識は、まだ男性主導の名残がある社会の風潮によって、親に始まり周囲の人間などが刷り込んだ賜物でしょう。

もう何十年~100年ほど経てば、この固定観念が薄れるのかが楽しみですね。
私たちは生きていないでしょうが。