クリエイティブな人ほど精神疾患にかかりやすいという研究結果

クリエイティブな人ほど精神疾患にかかりやすいという研究結果

クリエイティブな人と言うとデザイナー、作家、作曲家、写真家などを思い浮かべるでしょう。
そして、そういった普通の人には表現できない世界を表現し、心を動かすことができる人が精神を病む話を聞くことがあると思います。

実は、クリエイティブな人ほど精神疾患にかかりやすいという話は科学的に証明されているのです。

 

マイナビクリエイター

 

クリエイティブ性が精神疾患に関わるメカニズムとは

クリエイティブ性が精神疾患に関わるメカニズムとは
出典:ウィキメディア・コモンズ

 オーストリア・グラーツ大学の神経科学者アンドレアス・フィンク氏らは、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)を使って統合失調症傾向の患者とクリエイティブな仕事をしている人の平常時の脳と思考中の脳の画像を撮影した。
 その結果、重い統合失調症傾向を患っている人と創造性豊かな人の脳内いづれも、思考中であっても注意と集中にかかわる部位とされる楔前部(けつぜんぶ)が活動を続けていたという。一般的には、複雑な課題に取り組むと、楔前部の活動が低下し、集中することを助けると考えられている。

 これは脳が、大量の情報を取り込む一方で、雑音となる情報を排除できないということを意味する。つまり、脳のフィルターが機能していないようなのだ。
出典:創造性と精神疾患に関連性。創造性豊かな人ほど精神に異常をきたしやすい傾向(スウェーデン研究)

以前の記事でクリエイティブ性が高い人は雑音に敏感なことがあると書きました。
その中で不必要な音も拾ってしまい、結果、雑音に悩まされて精神に異常をきたす場合もあるというのは、上記のような脳の仕組みに起因していることが分かりました。
確かに、不要な情報が無意識下に入ってくるのはかなりキツイですね。

 

関連記事→雑音に敏感になる様々可能性

 

 

遺伝的変異によるクリエイティブ性と精神疾患の予想が可能に

Kari Stefanssonおよび共同研究者は、健常もしくは統合失調症か双極性障害と診断された15万人以上を対象とした大規模な遺伝学的データを利用した。Stefanssonたちはこの研究で、高い疾患リスクと関連する遺伝的変異によって、86,292名からなるアイスランドの別の集団における疾患リスクを予測できることを発見した。また同じ遺伝的変異によって、アイスランドの集団のうち精神疾患のないものがアイスランド芸術協会(俳優、舞踏家、音楽家、美術家、作家からなる)に属するかどうかも予測することができた。

Stefanssonたちはさらに、同一の遺伝的変異によってスウェーデンの8,893名、オランダの18,452名からなる別の集団で創造的職業に携わっているかを予測できることも発見した。全ての集団におけるこの関連は、IQや教育水準、あるいは統合失調症や双極性障害を持つ人との類縁関係の近さの差異によっては説明できない。よって、ある種の精神病に対する傾向を強める遺伝的要因が、他方で、無関係な健常者の創造的素質に影響するのかもしれない。
出典:創造性と精神病をつなぐ遺伝学

文章は難しいですが、健康な人と統合失調症か双極性障害の人の遺伝子を調べたところ疾患リスクやクリエイティブな職種であるかを予測できるようになった。というところでしょうか。
ただし、「共通する遺伝要因によるものか共通する環境要因によるものなのかは不明である」と述べられています。

ということは、クリエイティブな能力や精神疾患のなりやすさは遺伝である可能性が高いということなのでしょう。
そして同時にクリエイティブ能力が生まれつきという説を強めているようにも取れます。

また、遺伝的に関係があるという点でも、クリエイティブな職業で精神疾患を持っている人の親族も精神に異常をきたしやすく創造性が高いということにもつながります。

 

 

どれくらいの割合なのか

どれくらいの割合なのか
スウェーデンのストックホルムにある医科大学、カロリンスカ研究所のシモン・クヤガ氏が率いる研究チームは、約120万人の精神科患者とその親族を調査しました。
その結果、作家やダンサー、写真家など、創造性が要求される分野を職業にしている人は、双極性障害を発症する可能性が一般の人よりも8%程度高いことが明らかになりました。
この傾向は特に作家に際立っており、一般の職業の人よりも121%上がり、自殺率に至っては50%も高かったそうです。

 

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クリエイティブ性が低い人からすると、独特の感性を持ち、その世界を表現する芸術家は憧れですが、こんなにも精神的に追い詰められ死亡率が高いのは動物としては考えものな能力です。
逆の発想からすると、死を恐れる本能に打ち勝つほどの精神的苦痛はある意味動物という枠組みから超越している存在なのかもしれませんね。

 

 

参考:https://www.cnn.co.jp/fringe/35044129.html
   http://karapaia.livedoor.biz/archives/52156704.html