人間はバイアス(偏見、差別)の生き物~わたしたちを蝕むバイアスたち⑤~

心理・性格

堅苦しそうに見えて、実はわたしたちの中にひそむバイアスたちシリーズ。
ついに5回目です。

 

 

サンプルサイズに対する鈍感さ

少数のサンプルを調べただけで、正しいデータが得られたと思ってしまう傾向を言います。

 

誤情報効果

誤情報効果
目撃証言などの情報を見聞きすると、たとえその情報が真実でなくても、見たような気になることです。

 

ジンクピリチオン効果

意味など分からなくても専門用語があるだけで説得力が高まること。
例)

1970年、花王株式会社はフケかゆみを止める成分である「ジンクピリチオン」が配合されたシャンプー「メリット」を新発売した。日本で初めてジンクピリチオンを配合したシャンプーであったが、その当時ほとんどの日本人がジンクピリチオンなど知らなかった。しかし、メリットのCMはあえて「ジンクピリチオン配合」とハッキリとうたい、そしてその結果、CMを見た視聴者は「何か分からないけど凄そう」と感じ、今も続くロングセラーにつながっていった。

こういった経緯をふまえ、小難しい単語によって何か分からないけど凄そうと感じてしまうことを小説家の清水義範氏が「ジンクピリチオン効果」と名付けている。
出典:デザインの話題「ジンクピリチオン効果」

 

ステレオタイプ

人種や性別や職種などを知ると、個性を無視した典型的なイメージに引きずられて記憶が歪められることを示します。

例)A型は几帳面

 

処理水準効果

意味を捉えない丸暗記よりも、意味を理解して覚えたほうが記憶しやすいことです。

これはあまりに当たり前なので学生の人も実感しているのではないでしょうか。

 

知識の呪縛

知識を得ることによって、知らない人の発想や状況が分からなくなる現象のことです。

多角的な意見を聞くためには、同レベルの知識を持っているより、知らない人の意見も必要ですね。

 

投影バイアス

将来の自分も、現在の自分自身と同じように考えると思い込むみ、自分の価値観は普遍的だと思う傾向。

例えば、お腹が減っているとき、お腹がいっぱいのときの精神状態を予測できないといったことです。

 

専門偏向

得意な分野のことについては詳しく、様々な問題点が見えたり解決策を思いついたりするものの、それ以外の要素については気づかず視野が狭い傾向を言います。

 

双曲割引

双曲割引
いま我慢すれば将来もっと利益を得ると分かっていても、すぐに得られる利益を優先させる傾向のことです。

企業のほとんどがこれですね。

 

テキサスの狙撃兵の誤謬

バラバラのデータの中から、たまたま一貫している部分に目が行き、誤った結論を導いてしまう傾向のことです。

上官が狙撃兵に腕前を問うたところ、遠くにある壁の標的の真中に命中しているのを指し示したため腕前に感心したが、実は壁の銃痕にあとから標的を描いただけだった、というテキサスのジョークから。
出典:誤謬

 

究極的な帰属の誤り

自分や自分のグループの成功は当然の結果、失敗するとたまたまと考え、他人や他のグループについては逆に考える傾向にあります。

類似:基本的な帰属の誤り

 

基本的な帰属の誤り

他人がとった行動の理由は、その人の置かれた状況や環境よりも、当人の性格にあると考える傾向。

類似:行為者・観察者バイアス

 

根本的な帰属の誤り

個人の行動を説明する際、その人の気質的な内面を重視しすぎて、状況的な面を軽視しすぎる傾向を言います。

 

被暗示性

他人がそれとなく示唆した考えが、自分自身の経験や記憶に知らぬ間に混入することを指します。
催眠術のかかりやすさにも使われる用語です。

類似:誤帰属

 

誤帰属

誤帰属
湧きあがった感情を他の要因に誤ってつき従わせることを言います。
例えば、男女で吊り橋に行き、その高さの恐怖でドキドキしているのを、恋愛のドキドキと勘違いして異性を好きなのだと勘違いする「吊り橋効果」がこれに当たります。

 

妥当性の錯覚

それほど根拠がない説だとわかっていても、それをもとに考えてしまう傾向のことです。

例えば、性格から血液型を推測するなどです。

 

事前確率の無視

不確定な状態で全体的な確率を軽視、または無視する傾向を指します。
例えば、各地の宝くじ売り場から1等が出る確率はどこも同じですが、宝くじを買う人たちは何度か1等が出たことのある売り場に買いにいくのが、事前確率の無視です。

 

生存者バイアス

成功者には注目するが、その背後にいる多くの敗者には注意を向けない傾向のことです。

成功者のインタビューなどを見て、自分も同じ方法を試みたとしても成功するとは限りません。

 

対比効果(コントラスト効果)

ものの印象が直前の情報によって変化すること。

例えば、甘いものを食べた後は、少しの酸味でもすごく酸っぱく感じるのはこの効果のためです。

 

虚偽記憶(過誤記憶)

実際に起こっていないことを体験したと記憶がすり替わることです。

 

偽の合意効果(総意誤認効果)

自分の考え方を他の人も持っていると投影する傾向です。

 

リスキーシフト

普段は穏健な考え方や行動をする人が、集団の中では、そのメンバーが極端な言動を行っても、同調したり一緒になって主張するようになっていくことをいいます。

優等生が素行の悪い友達と付き合っていくうちに、優等生も素行が悪くなっていくのがこれでしょう。

 

埋没費用効果(コンコルド効果)

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながると分かっているにもかかわらず、それまでの投資をもったいないと思い、投資をやめられない状態を指します。

別名のコンコルドは、超音速旅客機コンコルドの商業的失敗が由来です。

 

認知的不協和

人が自身の中で矛盾するものごとを同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を言います。

 

恨みに訴える論証

相手に恐怖と先入観を植えつけることで、自分の考えを支持させようとすることです。
政治やマーケティングなどでよく見られる手法です。

バイアスというより、恫喝のような気もしますが…。

 

追認バイアス

ある仮説を肯定する現象ばかりに注目してしまい、否定する現象を無視してしまうバイアスです。

視野が狭くなるということですね。

類似:確証バイアス

 

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果
負け犬効果ともいい、一生懸命に頑張っているのに上手く行かない人や不利な立場の人、報われない人を応援や助けたくなる効果のことです。

庇護欲を掻き立てられるのでしょう。

 

感情バイアス

たとえ相反する証拠があっても、心地よい感覚をもたらす肯定的な感情効果のある方を信じたがり、好ましくない、精神的苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらない傾向を言います。

つまり、好き嫌いで証拠や事実を選んでしまいやすいということですね。
本当に人間は客観的な判断ができるのかが分からなくなるバイアスです。

 

観察者効果

観察するという行為が、見られていると意識したときに行動した結果、現象に与える変化を指します。

確かに見られていると思うと自然な行動はできませんね。

 

学習性無力感

抵抗することも回避することも困難なストレスに長期間さらされ続けると、そうした不快な状況下から逃れようとする自発的な行動すら起こらなくなる現象をいいます。

ブラック企業に勤める人が、苦しみ続けいているのにその会社を辞めずにいる事例もこれに当たると思われます。

 

利用可能性ヒューリスティック

取り出しやすい記憶情報を、優先的に頼って判断してしまい、記憶に残っているものほど、頻度や確率を高く見積もる傾向を言います。

 

ベースレート誤謬

ある事象の基本率を軽視又は無視して推論を行い、誤った結論を導く。

事前確率の無視と類似バイアスでしょうか。

 

チアリーダーの効果

女性の視線が、男性の行動に大胆さや寛容さを与える効果です。
また、華やかな集団に紛れることで、個々の女性まで魅力的に見えることからこの名前がつけらたことが分かります。

女性の前では男性が強がるシーンをよく見かけますが、これにも名前があったんですね。

 

選択支持偏向

自分が選んだものは、そうでないものよりもよく見えるという傾向を指します。
選んだのですから、他のものより良く見えるのは当たり前のことだと思っていたのですが…。

 

 

 

いかがでしたか?
当てはまる事象が結構あったのではありませんか?

名称は違うものでも、バイアス内容が似通っているものが結構ありましたね。
5回に渡ってバイアスのご紹介をしてきましたが、バイアスシリーズは今回で一旦終わりです。

まだまだ、ご紹介しきれていないものもありますが、それはまた別の機会に。

Posted by fujimoto


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