人間はバイアス(偏見、差別)の生き物~わたしたちを蝕むバイアスたち④~

心理・性格

バイアスシリーズ4回目となりました。
今回も長いですが、共感できるものが見つかるはずですよ。

 

 

社会的比較理論

自分の能力や意見の妥当性を評価しようとするため、他者と自分を比較しようとします。
その際、比較対象には自分とは異なった性質の他者ではなく、類似した他者を選びます。

 

世間体バイアス

本音を隠して社会的に望ましい回答をしてしまったり、自分を良く見せようとする傾向にあることを言います。

 

外部代行者の錯覚

自分の性格や嗜好は、尊敬する誰かから影響されたものだと考える傾向です。

 

クリプトムネシア

見聞きした経験を忘れているとき、その情報を自分で考えたものとして語る傾向を指します。

 

外集団同質性バイアス

自分の所属するグループは個性的でバラエティ豊かだと思いますが、他のグループは似たような人ばかりだと勘違いすることです。

 

間隔効果

間隔効果
一気に詰め込むより、間隔をおいて学習した方が効果が得られます。

 

クラスター錯覚

立て続けに同じことが起こると、その回数が少なくても法則や流れがあると信じてしまう傾向です。

例えば、5回中に4回同じことがあると勝手に法則性や統計を取ってしましますね。

 

パーソナルスペース

他人に近づかれるだけで不快に感じる自分周辺の空間のことです。
例えば、電車で見知らぬ同士は両端の座席に座るなどです。

関連記事→パーソナルスペースは性格や性別によって異なる

 

内集団バイアス

自分が所属するグループの仲間は、そうでない人間より人格や能力が優れていると思い込むことです。

仲間を優遇することは、わたしたちしては当然のことですが、偏見といえば偏見かもしれません。

 

モラル正当化効果

良い行動をとった直後は、反動でモラルに欠ける行動をとる傾向です。

例)

  • ちょっとくらいいいだろう
  • 頑張ったご褒美

 

薔薇色の回顧

薔薇色の回顧
過去の経験が次第に美化されていく傾向です。
例えば、どんなに仕事が嫌で、私生活や体がボロボロでも年月を重ねると「あの頃は充実していた」などと思いだすことってありませんか?

類似: 情動減衰バイアス

 

情動減衰バイアス

どんなにつらい感情でも時とともに薄れることです。
特に不快な気持ちや嫌悪する気持ちの方が薄れやすいようです。

 

記憶錯誤

事実とは違った記憶が誤って思い出されることで、思い違いとも言います。
デジャヴや前世の記憶もこの一種と言われています。

 

注意バイアス

負の感情を煽るものに意識が向いてしまい、それ以外の情報を無視してしまう傾向を言います。

 

素朴なシニズム

他人の発言については、大げさだと真に受けず嘲笑的な態度をとる傾向にあります。

類似:自己中心性バイアス

 

自己中心性バイアス(スポットライト効果)

自分自身の行為や外見が目立つことを過大評価してしまうバイアスです。

 

錯誤相関

相関がない物事であっても、何らかの関連性を見出してしまう傾向のことを言います。

ステレオタイプのような思い込みが長く引き継がれていく原因になります。

類似:パレイドリア

 

パレイドリア

パレイドリア出典:Aleph79

ランダムの模様や音声に何らかの意味を見出してしまう傾向のことです。

例えば、画像のような岩の形が人の顔のように見えるのもこのバイアスの影響です。

 

ゼロリスクバイアス

相対的なリスクの絶対量を考えずに、小さなリスクの割合を下げようとします。
例えば、100あるリスクを10に減らすよりも、1のリスクを0にするほうを好むのです。

 

ネガティビティ・バイアス

良い情報よりも悪い情報が気になってしまう傾向にあります。

例えば、初対面のに対して笑顔が魅力が素敵で話も面白く、雰囲気が良い人だと思っても、服にしわがあるのを見つけたときに、そこにばかり目がいってしまうということもこれに当たります。

 

ポジティビティ効果

高齢者になるほど、不快な情報は忘れやすく、良い情報は覚えやすい傾向を言います。
36名の高齢者と36名の若年者に,「この人にお金を預けるかゲーム」を行ってもらっています。ゲームでは,画面に出てくる人の顔を見ながら,「この人に100万円預けてもいいか」を判断していきます。画面に出てくる顔には,「信頼できる顔」と「信頼できない顔」の2種類あります。画面の人は,対象者が「預けるか否か」を判断した後に,「お金を2倍にして返してくれる」という素敵な行動か,「お金を全部騙し取る」というあくどい行動のどちらかをとります。実験対象者の高齢者と若者に,このゲームを4回行ってもらい,「この人はこんな顔してるけどいいやつだ」とか「こいつはこんな顔のくせにひどいことしやがる」などというのを記憶してもらいます。その後,画面に24名の人の顔が現れ,それぞれの人が「いい人」か「悪い人」か「さっき出てこなかった人」かを判断する,いわゆる記憶テストを行ってもらいます。

さて,結果はというと,まず顔の信頼性に関わらず,悪い人の顔をおぼえるのが若者よりも苦手,ということが分かりました。さらに,若者と比べて,高齢者では,「信頼できる顔の人はいい人だ」,というバイアスが強い,という結果に。つまり,先ほどのゲームを4回行って,例えば4回ともお金を騙し取られたとしても,「信頼できる」顔の人であれば,最後の記憶テストで「この人いい人」と判断してしまいやすい,ということが分かりました。
出典:高齢者は若者よりも他人を信頼しやすい?!

 

システム正当化

不利益が多少あったとしても、現状を維持したくなる傾向のことです。
「前例がない」と提案を却下する人はこのバイアスの影響が強いためです。

類似:現状維持バイアス

 

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現状維持バイアス

今までの通りでよいと変化を好まない傾向です。
日本人にこの考えが多いと言います。

 

色彩心理効果

色によって印象や行動が変わる傾向のことです。

例えば、白の服を着ている人よりも、黒の服を着ている人の方が暗い人のように見えるなどです。

 

ピーク・エンドの法則

辛い体験や楽しい体験を評価するとき、感情のピーク時と終了時の状況だけでどうだったかを判断してしまう傾向を示します。

心理学者のダニエル・カーネマンが以下のような実験を行いました。

1.死ぬほど冷たい水に60秒間手を浸す。

2.死ぬほど冷たい水に90秒間手を浸す。ただし、最後の30秒間は水は依然として冷たいものの徐々に温度が上昇する。

どちらかを選べと言われたら、冷たい水に60秒間手を浸す時間は同じなので、誰でも苦痛が短時間で済む1のほうを選択すると思います。理屈から言っても当然なことですね。しかし、実際に学生を使い1と2の両方を経験してもらった後に、どちらならもう一度経験してもよいかを尋ねたところ、驚くべきことに80%以上の人が苦痛の時間が長い、90秒間手を浸すのほうを選んだのです。
出典:ピーク・エンドの法則と投資行動

類似:持続時間の無視

 

持続時間の無視

辛い体験や楽しい体験を評価するとき、感情の強度に気を取られ、その感情がどのくらい持続するかを考慮しないことです。

 

初頭効果

目にしたもの中で最初と最後の項目を覚えやすい傾向で、人にも同じことがいえます。

第一印象が決まるのもこの効果の影響でしょう。

 

実験者効果

欲しいデータを得ようと無意識に実験方法やデータ解釈を都合よく変更してしまうことや、被験者の行動に影響を与える傾向を言います。

類似:ピグマリオン効果

 

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果
教師が生徒に期待すると、期待された生徒の成績が上がることです。
少なからず教師は期待していると態度に出るため、生徒はそれを察知して勉学に取り組むことになり、結果、学力が向上するということです。

このことから、人間は期待された通りに成果を出す傾向があるという意味でも使われます。

 

基準率の無視

与えられた状況全体に関する確率を軽んじる傾向を言います。

宝くじの当選率1/2000万ほどであるにもかかわらず、一等の金額に目が眩んで買ってしまうのもこのバイアスの影響と言えます。

類似:基準率錯誤

 

基準率錯誤

全体の統計的な傾向を無視し、特定の情報のみから判断してしまう傾向のことです。

 

損失回避

得するように努力するより、損をしないように努力する傾向を指します。
やはり、わたしたちはネガティブな出来事に意識が行くようにできているのですね。

 

自制バイアス

自分は自制心が強く、誘惑に負けないと過剰に見積もっていることです。

例)

  • 禁煙などすぐにできる
  • すぐに痩せられる

 

画像優越性効果

文章のみで説明するよりも、イラストや映像を用いて説明する方が記憶に残りやすいことを言います。

類似:モダリティ効果

 

モダリティ効果

読んだことより聞いたこと、聞いたことより見たことの方が記憶に残りやすい傾向にあります。

脳の刺激の関係もありそうですね。

 

 

上流階級バイアス

上流階級バイアスとは、社会的地位の高い人ほど、モラルやマナーに欠ける思考、行動をとる傾向にあることをいいます。 カリフォルニア大学のピフ博士らが、実験証拠を発表しています。 まずピフ博士らは運転マナーについて調査しました。 車のレベルが社会的ステータスを反映していることはよく知られています。博士らは、車のランクを高級車から大衆車まで5つに分類し、階級別に交通規則をどれほど守っているかをモニターしました。 すると、横断歩道で手を上げている歩行者を待たずに通過してしまう確率は普通車35%のところ、高級車は47%であることがわかりました。 また、交差点で相手の車を待たずに割り込む率は普通車12%のところ、高級車は30%と2.5倍にもなったのです。
出典:能力の低い人ほど、自分を「過大評価」する

疑似的に社会的地位を与えられた人も、モラルに欠ける行動を取ることも分かっています。

関連記事→お金持ちはモラルもマナーも悪いという研究結果

 

本質主義バイアス

自分が本質だと考えている典型的な枠組に当てはめて、安易にものごとを類型化してしまう傾向のことです。

 

直近効果

何らかの評価をする際、直近のものごとを重視する傾向でハロー効果の一種です。

 

おとり効果

実際は選ばれることのない選択肢が増えることで判断が変わってしまうことです。

例)

中 2,000円
小 1,000円

“中”を売りたい場合、もう一つの選択肢を加えます。

大 3,000円
中 2,000円
小 1,000円

このように、売りたい価格帯より高額な商品を設定することで、選ばれやすくなるのです。

 

持続性バイアス

忘れようとしてもネガティブな経験を何度も思い出してしまうこと。
眠る前によく起こりますね。

 

ペルツマン効果

ペルツマン効果
安全が確保されると、かえって危険を冒す傾向を言います。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)はボランティアを募った上で走行中の車線から逸脱した際に自動的に進路を修正する性能を備えたテスト車の試験運転を行い、試験終了後にドライバーにテスト車の印象についてインタビューを行っている。NHTSAが公表している報告書には試験に参加した20歳前後の女性が語ったコメントの要旨が記載されている――インタビューを担当した検査官の顔には「これはまずい」と焦りの色が見え隠れしていたに違いないが、そのことについては報告書ではもちろん触れられていない――。

その女性ドライバーはテスト車の性能を高く称えた上で自分の車にも是非ともこの性能が搭載されて欲しいと語っている。そして次のようなコメントが続く。「これまでは車で街まで出てきてお酒を飲んだ夜は友人の家に一泊しなきゃいけなかったけれど、この性能があればもうその必要はないわ。自分で車を運転してすぐに家に戻れるわ」。
出典:アレックス・タバロック 「ペルツマン効果」

 

バックファイア効果

自分の考えに合わないことや人に出会ったとき、これを否定しつつ、自分の考えにさらに固執してしまう傾向のことを指します。

 

自己奉仕バイアス

成功したときは自分の手柄だと思い込み、失敗したときは自分に責任がないと思う傾向のことです。

第三者視点で見ると、かなりイタイように思いますが、成功したときは自己承認へとつながり、失敗したときは自己防衛すると思えば、なんとなく分かります。

 

 

バイアスシリーズは次回で最終回です。

Posted by fujimoto


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