精神疾患を薬を使わず快方へ。認知行動療法とは?

2017年10月29日

精神疾患を薬を使わず快方へ。認知行動療法とは?

うつ病、パニック障害、強迫性障害は決して珍しくない精神疾患です。
しかし、実際に精神科にかかっている患者はどれほどいるでしょうか。
おそらく、仕事で忙しくて行く暇がなかったり、周りに精神疾患であることを知られるのが嫌だったり、自分の状態に気づいていない人など、実際には治療した方がいいにもかからず、精神科にかかっていない人がたくさんいることでしょう。
病院に行ってしまうと大掛かりになってしまうと腰が重くなってしまいますが、自分で治療できるかもしれないとすればどうですか?

今回から4回に渡って、千葉大学医学部附属病院、認知行動療法センター長の清水栄司教授が監修を務めており、浅岡雅子氏著の『自分でできる認知行動療法 うつ・パニック症・強迫症のやさしい治し方』から”軽度のうつ病”、”パニック障害”、”強迫性障害”の3つ症状を認知行動療法を用いたセルフカウンセリングの方法をご紹介します。

1回目の今回は認知行動療法についてお話します。

 

 

認知行動療法とは

”認知療法””行動療法”を合わせたものです。

認知療法とは

心の問題の背景には思考パターンの癖があるとし、その癖を合理的にバランスのよいものに修正することで心の問題を解決する方法のことを言います。

行動療法とは

行動面に働きかけることで行動の癖を修正し、生活の支障を取り除く方法で認知療法より以前に確立されていました。

 

認知行動療法の着目点としては”今、意識していること”=考えであり、心理的な問題の背景には偏りがあり、その偏りによる悪循環を表現したモデルに基づいて考え方を修正すれば”短期間”で症状が改善するというものです。
治療方法は患者の話を受け入れながら現れる”考え方の偏り”を修正するためにセラピストがアドバイスしながら問題解決に向かって一緒に進んでいきます。

しかし、実際のところこの認知行動療法を実施している施設が、専門家が少ないことからまだ少数なのだそうです。
そのため、強い自殺願望ある場合でなければ、セルフカウンセリングを試みるのも1つの選択肢だと本書には書かれています。

 

 

認知行動療法のメリット

認知行動療法のメリット

  • 基本的に副作用がないこと
  • 再発しにくい
  • 特別な準備は不要
  • 精神疾患になりにくい生活が送れる

先述したように精神疾患になるには、悪循環に陥るパターンがあるので、そのポイントを理解し、順を追ってセルフカウンセリングを行えば、完治しなくとも生活をよりよくできるヒントにはなるはずと本書で語っています。

 

 

セルフカウンセリングを始める前に

次回から”うつ”、”パニック障害”、”強迫性障害”の3つの症状のセルフカウンセリングの方法をご紹介しますが、その解説に出てくる用語や手法をまとめておきます。
ここで予習してから次回以降をお読みください。

認知

元来は何らかの物事が起こった時に、目や耳など通して知覚するという意味ですが、本書では現実(できごと)を言葉で解釈した「考え」という意味として思っておきましょう。
また、不安などのネガティブで強い感情とセットになった認知を、「ホットな認知」と呼ぶこともあります。

 

自動思考

認知の1つの形で、できごとに直面した時に”とっさに頭に浮かぶ考え”のことを言います。
これは人によって様々です。

 

行動

わたしたちが通常使っている意味とほぼ同様ですが、何らかの意思の表れとして人が動くことを指しています。
認知が這わることで行動が変化したり、行動を変えることで認知が変わることを治療で利用します。

 

スキーマ

認知行動療法においては、考え方の図式を意味します。

 

適応的思考

現実に即した客観的で合理的な考え方のことで、社会生活を円滑に営むために欠かせないものです。

 

ケースフォーミュレーション

ケース=症例
フォーミュレーション=定式化

自分の病気を把握するために考えや行動を図式に当てはめてパーターンを見つけ出すことを言います。

 

曝露療法(エクスポージャー)

不安に感じている対象に身をさらして慣れるようにする一種の行動療法で、パニック障害や、強迫性障害で不安に感じるものや強迫観念に対して我慢することが多い療法です。

ただし強迫性障害の場合は、不安を我慢する”反応妨害”がセットになっているので、「曝露反応妨害法」と呼んでいます。

 

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では次回から、『自分でできるうつ病の認知行動療法』をご紹介します。

 

ソース:自分でできる認知行動療法 うつ・パニック症・強迫症のやさしい治し方 ココロの健康シリーズ