面接官・応募者必見!面接で適正・能力とは関係ない質問は就職差別を助長する!

2017年9月10日

面接官・応募者必見!面接で適正・能力とは関係ない質問は就職差別を助長する!

就職・転職面接の際、適正・能力とは関係ない質問をされることはありませんか?
応募者からすれば「この質問、面接に関係ある?」というような質問でも、企業側からすれば、その人の人柄や環境などを判断する要素であることもあります。

面接官も人間であるため、回答によっては偏見を持ってしまう可能性が高まり、採用面接で採否の判断材料になっていることもあるのです。

このようなことを、厚生労働省は認めていないことを知らない面接官が多く存在します。
今回は、就職差別を助長するような質問の内容と、質問されたときに回答の義務がないことを、面接官や応募者に知っていただくため解説していきます。

 

 

公正な採用選考の基本とは

憲法22条1項で定められている「職業選択の自由」の趣旨に基づくもので、応募者の採用選考を行うには、基本的人権を尊重することが重要だとしています。
また、雇用主(企業)にも「採用の自由」が認められていますが、応募者の基本的人権を侵してまでは認められていません。
あくまで、「職業選択の自由」を尊重せよという趣旨です。

以下が、具体的な内容です。

採用選考の基本的な考え方

ア  採用選考に当たっては
 応募者の基本的人権を尊重すること
 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。
出典:公正な採用選考の基本 – 厚生労働省

この内容は日本国憲法の第14条、第22条に基づいています。
内容はこちら。

第 14 条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は
門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第 22 条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
出典:日本国憲法

イ  公正な採用選考を行う基本は
・  応募者に広く門戸を開くこと
言いかえれば、雇用条件・採用基準に合った全ての人が応募できる原則を確立すること
・  本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしないこと
つまり、応募者のもつ適性・能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準として採用選考を行うことです。就職の機会均等ということは、誰でも自由に自分の適性・能力に応じて職業を選べることですが、このためには、雇用する側が公正な採用選考を行うことが必要です。
出典:公正な採用選考の基本 – 厚生労働省

 

 

公正な採用選考を行うためには・・・・

ア (前略)応募者の適性・能力に関係のない事柄について、応募用紙に記入させたり、面接で質問することなどによって把握しないようにすることが重要です。これらの事項は採用基準としないつもりでも、把握すれば結果としてどうしても採否決定に影響を与えることになってしまい、就職差別につながるおそれがあります。

イ なお、個人情報保護の観点からも、(中略)社会的差別の原因となるおそれのある個人情報などの収集は原則として認められません。(後略)

ウ (中略)事業主が独自に応募用紙やエントリーシート(インターネット上の応募入力画面)の項目・様式を設定する場合は、適性と能力に関係のない事項を含めないよう留意しましょう。

エ 『面接』を行う場合についても、職務遂行のために必要となる適性・能力を評価する観点から、あらかじめ質問項目や評価基準を決めておき、適性と能力に関係のない事項を尋ねないよう留意しましょう。
 また、応募者の基本的人権を尊重する姿勢、応募者の潜在的な可能性を見いだす姿勢で臨み、できるだけ客観的かつ公平な評価を行うようにしましょう。

オ 障害者、難病のある方、LGBT等性的マイノリティの方(性的指向及び性自認に基づく差別)など特定の人を排除しないことが必要です。特定の人を排除してしまうというのは、そこに予断と偏見が大きく作用しているからです。当事者が不当な取り扱いを受けることのないようご理解をいただく必要があります。
出典:公正な採用選考の基本 – 厚生労働省

イ に関しては、職業安定法第3条(均等待遇)を踏まえた内容になっています。

第三条  何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。但し、労働組合法 の規定によつて、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。
出典:職業安定法

 

採用選考時に配慮すべき事項

次のaやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり面接で尋ねて把握することや、cを実施することは、就職差別につながるおそれがあります。
<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
出典:公正な採用選考の基本 – 厚生労働省

と、このように「応募者の基本的人権を尊重」することと「応募者の適性・能力のみを基準」にして採否を判断しなければならないことを明示しています。
では、具体的にどのような質問が、就職差別につながりかねない質問なのかをいくつか挙げていきます。

 

 

具体例

具体例

  • 結婚・出産後どうするか
    辞職か継続かは本人や家庭の自由なのにも関わらず、答えによって採否判断に影響がある可能性があります。
  • 子どもの有無
    応募者が女性で子持ちの場合、よく休むだろうなどの予測をつけて選考に影響する可能性があります。
    しかし業務上、相談しなければならない場合があると思うので、ケースバイケースで。
  • 実家暮らし or 一人暮らし
    実家ぐらしについて偏見を持つ人もおり、それが選考に影響する可能性があります。
  • 家族の仕事の有無、職業、職種、勤務先、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産
    など
    これらの質問で応募者の生活水準や環境をはかり、選考に影響する可能性があります。
  • 戸籍謄(抄)本や本籍が記載された住民票(写し)の提出
  • 自宅の特定
  • 出身地
    地域の特色から偏見を持っており、選考に影響する可能性があります。
    履歴書に出身校を書いているので完全には隠せませんが…。
  • 友人関係について
    友達が少ない場合、コミュニケーション能力が低いや性格に問題があると判断する可能性があります。
  • 趣味
    よく聞かれる質問ですが、面接官と趣味が同じだから採用、違うから不採用という影響の可能性があります。
    この質問は、応募者の緊張を和らげるためかもしれないので、グレーな部分でもあります。
  • 持病の有無
    体質・病気に対しての偏見で選考に影響する可能性があります。
  • 尊敬する人物
  • 気になるニュース
  • 感銘を受けた(好きな)本
  • 好きな雑誌、作家
  • 購読新聞
    面接官との好みと関係したり、思想が見えることもあるため、選考に影響する可能性があります。
  • 前職の収入
    給与の参考にと聞かれることもありますが、提示しようとしていた金額より低かった場合、前職の金額に寄せられる可能性があります。

その他

これらのことは面接官は質問しないよう徹底した方がいいでしょうし、応募者は上手く切り抜けられるように考えておいた方がいいでしょう。
面接官も一介の労働者なので、上司から「公正な採用選考の基本」について知らされていないことも考えられます。

ちなみに、事業主啓発用ガイドブックには以下のように記されています。

採用選考の担当者のうちの一人でも、就職差別につながるような不適切な対応を行えば、企業全体の社会的な信頼を失いかねませんので、担当者全員が『公正な採用選考』の考え方を理解しそれを実行するような社内体制(『公正採用選考システム』)を整えましょう。
出典:公正な採用選考をめざして(平成28年度版)

 

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公正な採用選考に違反した場合

公正な採用選考に違反した場合

● 違反行為をした場合は、職業安定法に基づく改善命令を発出する場合があります。
● 改善命令に違反した場合は、罰則(6 ケ月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金)が科せられる場合もあります。
出典:公正な採用選考をめざして(平成28年度版)

それでも、違反する企業は後を絶ちません。
もし、執拗に具体例の中でも、家庭のことや体質・持病などのようなことを質問された場合は、最寄りの施設に相談することをお勧めします。

都道府県労働局
ハローワーク(公共職業安定所)

 

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